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 Japan Academic Society of Wind Music

出版物BOOK

研究紀要

第1号
(1991年)
クラリネットにおけるリガチャーによる音質及び吹奏感への影響(朝田 健)
音楽教育における吹奏楽活動(安達 弘潮)
トランペットのための日課練習と教本概要(加古 勉)
クラリネットのルーツ・東洋と西洋の接点の楽器(海鋒 正毅)
言語指導行為に着目した合奏事例の分析(小出 學)
K.シュターミッツ ファゴット協奏曲ヘ長調の楽曲分析による考察(鈴木 三郎)
吹奏楽における打楽器のチューニング方法(百瀬 和紀)
第2号
(1992年)
学校教育における教材配列の重要性(有道 惇)
メンタルコントロールの研究(小倉 貞行)
リップシールドの形状とサクソフォーンの音響特性(北山 敦康、中野 和彦、平沼 謙二)
バンドにおけるコルネットについて(北川 晋)
アルテスフルート第1巻にみる初心者のためのフルート教授法考察(斎藤 賀雄)
リムスキー=コルサコフの管弦楽作品における管弦楽のスコアリング(四反田 素幸)
第3号
(1993年)
バンド活動における音楽教育の可能性(新山王 政和)
音楽表現におけるテンポ設定とアゴーギグの考察(田中 昭)
W.A.MOZART作曲 Konzert fur Klarinette und Orchestra
                A-dur,KV.662 について(1)(田中 旭、網野 公一)
奏者によるマリンバへの探求(藤井 むつ子)
バストロンボーンの魅力と処方(村上 準一郎)
Tchaikovskyの交響曲第6番における管弦楽法(山本 訓久)
第4号
(1994年)
サクソフォーン演奏上の考察(石渡 悠史)
演奏上におけるフットタッピングの生起現象と音楽能力の関係(新山王 政和)
打楽器による音楽表現の研究(山口 多嘉子)
A.ヴィヴァルディ・ファゴット協奏曲ホ短調の演奏法(山本 茂夫)
第5号
(1995年)
アンサンブルにおける木管五重奏(海鋒 正毅)
学校吹奏楽教育における教育課程の必要性(永澤 譲)
部活動における奏法の指導について(藤井 裕子)
ピアノ小品を題材にした打楽器的発想の考察(山本 真理子)
スクールバンドの指導者に関する研究(1)(吉田 功修、岩崎 英子)
第6号
(1996年)
器楽教育における音楽的表現のための練習方法(朝田 健)
吹奏楽における指揮法研究(大澤 健一)
マリンバ小協奏曲における考察(岸田 佳津子)
ユーフォニアムの音に関する考察(川口 安伯)
学校吹奏楽の活動における生徒の音楽能力の発達過程について(新山王 政和)
第7号
(1997年)
生涯学習を見据えた学校吹奏楽をめぐって―様式別教材配列を中心として―(有道 惇)
吹奏楽における指揮法研究(2)
グスタフ・ホルスト 吹奏楽の為の第二組曲ヘ長調(大澤 健一)
武満 徹「径」に関する考察(曽我部 清典)
フットタッピングの正確さと音楽能力
       ―中学校オーケストラ部員における実験結果の分析報告―(新山王 政和)
吹奏楽指導の手引き(竹本 義明)
管楽器における電位の影響(長松 正明)
第8号
(1998年)
生涯学習を見据えた学校吹奏楽の実践化―折衷的様式を中心として―(有道 惇)
楽器による音楽表現研究II
           ―小学校における楽器を使った音楽教育の必要性―(今井 敏勝)
フルート演奏に関する考察(川勝 和哉)
マーチング・ステップにおける足の着地とビート音のずれについて
         ―マーク・タイムにおける経験者のステップの分析―(新山王 政和)
サクソフォーン指導法に関する考察(森田 寛)
モーツァルト作曲ファゴット協奏曲K.V.191にみるアクセントとその表現(山本 茂夫)
第9号
(1999年)
管楽器教育で学ぶもの―横断的学習としての移調楽器学習実践例―(安達 弘潮)
木管フルートの魅力―M.ブラーヴェ作曲「ソナタ第2番作品2の2」における
                         フルート奏法の考察(岡崎 明義)
音と心―伝承への試論―(田中 昭)
楽器に関わる水の研究(長松 正明)
ポストホルンの響き―マーラーの《交響曲第3番 ニ短調》における
                  ポストホルン・エピソードの場合―(山本 訓久)
第10号
(2000年)
管楽器の効果的練習方法に関する考察(朝田 健)
実践的アムブシュア及びブレスコントロール考(小沢 千尋)
学校吹奏楽指導における指示語の研究 ―語用論的検討を中心に―(小出 學)
「認知」と「解釈」―金管楽器実技指導の教育手法に関する考察(後藤 文夫)
コンテンポラリー・ハイブリッド ドラム・ルーディメントの演奏法(日比 一宏)
第11号
(2001年)
管楽器指導におけるイメージの提供(加古 勉)
ロバート ジャガーの「第三組曲」について(金田 雄志)
アンサンブル作品の楽曲分析と演奏法 ―木管五重奏を例にして ―(川勝 和哉)
呼吸法から垣間見る管楽器界の諸相 ―吸気主動の視点から―(雲井 雅人)
純正律による和声練習(基礎Ⅰ)(佐々木 良純)
視覚的に軽快な印象を与えるマーチングステップに関する分析的研究
―マーチングバンド経験者と未経験者によるステップの違いとは―(新山王 政和)
第12号
(2002年)
オーケストラ作品の吹奏楽演奏への手がかり―調性をキーワードとして―(糸数 武博)
「ステップの安定度、均質度、足上げ角度」の三つの視点から
   アプローチしたマーチング経験者と未経験者の意識の違いに関する基礎研究
  ―ステップのタイミングは何を基準にしてどこへ合わせているのか―(新山王 政和)
L.Berio “Sequenza per flauto solo” 演奏のための考察(2)(野牧 弘周)
管楽アンサンブルの基礎的研究 ―歴史的源泉を中心に―(満下 順子)
トロンボーン・スライドの特性と効果的操作法における考察(和田 美亀雄)
第13号
(2003年)
楽器による表現研究IV一般大学における吹奏楽活動の展望―(今井 敏勝)
マリンバに於ける表現方法について(岸田 佳津子)
トランペットにおける合理的演奏法について(神代 修)
日本における西洋音楽の受容と日本の音楽との融合とその変遷
          ―軍楽作品における日本的特徴の形式過程を中心に―(満下 順子)
木管楽器のレガート奏法(山本 茂夫)
管楽器教育におけるソルフェージュ教育への考察
                   ―近代の日本の吹奏楽事情から―(渡部 謙一)

研究冊子

邦人作曲家とその作品
 第1号
(1993年)
伊藤 康英
代表的な作品についてのアナリーゼや解説がなされています。また初演などを担当した指揮者らの演奏にあたってのアドバイス、全作品のリストなど伊藤作品の貴重な解説書。
第2号
(1994年)
櫛田 ?之扶
邦人作曲家シリーズの第2弾。独特の手法で作品を作り続けている氏の具体的な解説の書。櫛田作品を一堂に集めた貴重な書として注目されています。
第3号
(1997年)
伊藤 康英
第1号に続く伊藤康英氏によるご自身の作品の解説およびアナリーゼの第2巻です。また、伊藤作品をまとめました一覧も掲載されております。
演奏へのステップ
第1号
(1993年)
杉木 峯夫
第1部では、伊藤康英、細野孝興、百瀬和紀、杉木峯夫の4氏による座談会。第2部では学校バンドの児童・生徒の読譜力を高めるための参考書を掲載。
研究課題
第1号
(1993年)
稲垣 征夫 「吹奏楽レパートリー研究」その1
稲垣征夫氏の多年にわたる吹奏楽レパートリー研究を集大成したもの。200曲以上の楽曲が、出版ごとにタイトル、作曲者、グレード、演奏時間、コメント入りにて紹介。
第2号
(1994年)
山本 武雄 「金管楽器の合奏法」その1 
金管合奏の歴史や、金管楽器の歴史、金管楽器の合奏、ブリティッシュスタイルのブラスバンドについて詳細な解説がなされている。その1は基礎知識編として制作されている。
第3号
(1994年)
稲垣 征夫 「吹奏楽レパートリー研究」その2
「吹奏楽レパートリー研究」その1の続編として前回収められなかった出版者について、出版社ごとにタイトル、作曲者、グレード、演奏時間やコメントを入れて紹介。
第4号
(1994年)
竹内 明彦 「ベストコンディションで演奏するために」
管楽器は演奏中に音を作らなければならない楽器である。楽器が演奏者の要求に一番応えられる状態を作るためにどうすべきかを詳細に解説。
第5号
(1994年)
山本 武雄 「金管楽器の合奏法」その2
既刊の「基礎知識編」に続く実践編。ブラスバンド吹奏楽の金管セクションの指導には欠かせない知識と技術を網羅した指導者必携の書。
第6号
(1994年)
山本 武雄 「金管楽器の合奏法」その3
このシリーズのまとめとしての「その3」。ハーモニーや音のブレンドから、音楽表現としての曲のまとめ方。ブラスバンドの選曲オリジナル作品・曲目リストなど貴重な資料。
第7号
(1994年)
長松 正明 「リード製作機器と周辺技術」
リード製作についての研究では、第1人者である氏の著書。シングルリード、ダブルリードの製作についてかかれた貴重な書。
第8号
(1994年)
根元 俊男 「吹奏楽指導者のために」
歯科医である著者が、その専門的立場から管楽器を吹奏する時に生じる色々な口内環境について解説しているユニークな研究書。
第9号
(1996年)
古屋 幸雄 「吹奏楽曲のオーケストレーションについて」
吹奏楽曲のオーケストレーションの実践について各セクションごとに詳しく書かれており、アナリーゼに必要な初歩的な知識と技術が記されております。
第10号
(1997年)
山岡 潤
金管楽器を演奏するために必要な諸条件をひとつのテーマとして揚げ、唇の状態やマウスピースとの関り、他について詳しく説明されております。
第11号
(1998年)
宮地 宏征 「客席から見た吹奏楽」
数々のコンサートホールをオーケストラと吹奏楽で比較し、用途に適したホール選び、またそのホールでの配置などについて詳細に説明される。
第12号
(1998年)
越川 博 「吹奏楽における意識改革と一般バンドの運営法について」
吹奏楽のマイナーな意識を改革するべく研究され、一般バンドの運営の基本から演奏会での問題点など“アンサンブルリベルテ吹奏楽団”での活動をもとに詳細に書かれている。
教育現場の吹奏楽
第1号
(1994年)
馬場 正英 「他人に言えないバンドの悩み」
学校現場での吹奏楽活動に情熱を燃やすシリーズ第1号 。氏ならではの軽妙なタッチで描く、高校生と吹奏楽活動の姿。
第2号
(1995年)
金田 康孝 「小人数バンドにおける運営・サウンド作り」
この冊子では、今いる部員でどのようにクラブを運営し、サウンドを作っていくかを宇品中学校の実例をもとに書かれいます。
第3号
(1995年)
仁平 良治 「小学校における吹奏楽指導」
「いかにわかりやすく教えるか」という小学校バンド指導のポイントに基づいて書かれた、具体的な指導書。
第4号
(1995年)
川勝 和哉 「小編成吹奏楽の運営と指導の実際」
小編成吹奏楽の指導に多く関わってきた著者による実践の記録であり、必ずや現場でお役に立つことと思います。
第5号
(1995年)
二ノ宮 洋三 「初心者のための金管指導マニュアル」
現場の先生方の強い要望により著作されたマニュアル。指導経験の全くない先生でも、今から即指導ができるように考えられた書。
第6号
(1996年)
園田 幸男 「吹奏楽部指導の一例」
白子高等学校吹奏楽部の実践を詳細に亘って紹介されている書であり、楽器の指導例や年間指導計画他が掲載されております。
第7号
(1997年)
加養 浩幸 「中学生としての1つの節目の中で」
生徒から学んだ数々の体験をもとに各楽器の指導についてまとめられた書。
第8号
(1998年)
佐藤 敦 「小編成吹奏楽作品の楽器法について」
小編成吹奏楽で、どのようにして望ましいサウンドを作っていくか。楽器編成と楽器法、作・編曲法などを、楽譜をしようして詳しく説明されている。
吹奏楽スタディ
第1号
(1994年)
日比 一宏 「打楽器」
多彩な楽器を駆使する打楽器パート。吹奏楽の代表的なレパートリーでの演奏法について詳細に解説されています。
第2号
(1994年)
西村 政晃 「トランペット」
吹奏楽の花形であるトランペット。本書では楽器についての基本的知識から吹奏楽、アンサンブル、ソロのレパートリーまで解説。
第3号
(1995年)
関口 仁 「クラリネット」
吹奏楽では、最も多くの人数を要するクラリネット。経験豊富な氏ならではの「吹奏楽スタディ」です。
第4号
(1995年)
諸岡 研史 「オーボエ」
ギネスブックにも、最も難しい楽器として掲載されているオーボエ。特に基本的な部分での解説に力を入れています。
第5号
(1995年)
上原 宏 「ホルン」
ホルンの基本的な取り扱いから具体的な奏法に至るまでの、詳細な解説や実例などを豊富に取り入れられております。
第6号
(1995年)
萩谷 克巳 「トロンボーン」
トロンボーンの歴史から楽器の選び方、また基本奏法および吹奏楽のレパートリー紹介まで詳しく掲載されております。
小編成吹奏楽の可能性と表現
第1号
(1995年)
新徳 盛史 「学習編」
本シリーズの導入編ともいえる本書は、小編成作品を実際に手がけ、必要な知識がわかりやすく書かれています。
第2号
(1994年)
淀 彰 「実践編」
現在、小編成用の楽譜が数少ないという現状を踏まえ、スクールバンドの編成や楽譜について書かれている。
第3号 欠番
第4号
(1995年)
田川 伸一郎、前田 俊輔、吉野 明 「私の小編成バンド活動」
指導者の立場からの実体験を基に、スクールバンドの活動・運営について書かれている。。

新版 吹奏楽研究冊子

第1号
(2008年)
川勝 和哉 「楽曲分析と演奏解釈~現場で役立つ指導の実際~」
吹奏楽が盛んになって久しいが、例えば学校教育現場では教師が職務に忙殺され、なかなか吹奏楽部の指導に顔が出せないという現状で、生徒にも教師にも不満が蓄積している。
学校教育現場では、より基礎的な知識や技術、音楽性の積み上げが求められているにもかかわらず、指導者に時間的・精神的なゆとりがなく、生徒に任せきりの状況から生み出される音楽は、ただ技術的・機械的な訓練に終始したものになりやすいように思われる。
短時間で効率的な指導・練習をおこない、音楽的内容をもった演奏を作り上げるためにはどうすればよいかについて考えたとき、「音楽の文法」の理解と実践に辿り着く。体で覚えるだけの時間がとれないのであれば、その分を「音楽の文法」の理解で補おうというわけである。
「楽曲分析」と「演奏解釈」を事前におこなうことによって、短時間で効率的な合奏ができ、生きた音楽を作り上げることができる。まず、事前に指導者が楽曲を細部に分けて各部の意味を把握し、それを組み立てて全体像を理解する(楽曲分析)。
誰が分析しようと、音楽の文法に従えば、基本的に分析結果は同じになる。つまり、重要な部分だと結論付けられる点はほぼ一致する。その上で、それをどのように聴き手に伝えるのかという方法論を考える(演奏解釈)。
これには当然、指導者や演奏者の個性がみられ、大切な音を強く表現する奏者もいれば、むしろ微妙な陰影を醸し出すために、あえてやさしく長く保つ演奏を求める指導者もいるだろう。いずれにせよ、理論的な裏付けのない独自な演奏は、個性的なのではなくて「風変わり」で「自己陶酔型」の演奏になる。
「好み」と「作曲者の求める表現」とは同じではない。たとえば、指揮者の好みでモーツァルトの作品をロマン派のように演奏するべきではないし、精巧な分析のあとの解釈が伴わない演奏は、まるで論文発表のようになる。聴き手は分析結果に感心するために会場に足を運ぶわけではない。
本書では、「楽曲分析」と「演奏解釈」について、読者がよくご存知の楽曲を具体例として多く用いて概説した。さらに、A.リード作曲の「エル・カミーノ・レアル」と、保科洋作曲「寂燈~川勝管楽五重奏団のために」を全曲とりあげ、詳細に説明した。
また楽曲分析のひとつとして、それぞれの楽団に応じた編曲法についての具体的なポイントを、さらに演奏解釈と密接に関係する指揮法についても、簡単に触れた。
全体は理論書ではなく、現場の吹奏楽指導者がすぐに応用できる即効性のある内容になるように留意して、筆者の経験をもとにしてまとめたものである。
第2号
(2008年)
山岡 潤 「金管楽器を鳴らす為の必要条件と口内容積の影響の再検証
           ~アーノルド・ジェイコブズ氏の教えをもとに~」

金管楽器を演奏、指導する上で常に問題になる事柄のいくつかを取り上げ、呼気量計や空気圧計を用いての実験、考察を中心に演奏や指導に於ける考え方、イメージの仕方の手がかりを探りました。
全体を通して故アーノルド・ジェイコブズ氏の生前のさまざまな指導の現場での発言をベースにして、筆者のこれまでの演奏、指導を通して得て来た経験や考えを整理、発展させています。
実験データの解釈や計算方法では楽器物理の専門家のご指導を頂きました。中心になるのは、金管楽器の音の「高い-低い」、「大きい-小さい」ということが、息の「量」、「スピード」もしくは「圧力」とどのように関わっているのかということです。
また、唇とマウスピースリムの関係、高音楽器と低音楽器の違いを考慮しながら、それらのよい関係を実際に楽器演奏で実践する上での便利なイメージを考えます。また、筆者にとってもはっきりした理解が得られていなかった「口内空間の影響」についても実験を通して新たな見解を出し、その他筆者が悩んで来た事の数々を出来るだけ整理して書きました。
この論文の目指す所は、私たち演奏家、指導者が各々の経験を通しての考え方、感じ方で独自の理解をしてきている「金管楽器の吹き方」の現象としての根本を少しでも明らかにして、より幅広いさまざまな個性を持つ個人にも受け入れ、理解する事の出来る指針を探ることです。
現象の根本が明らかになっていない物事を他人に伝えるときに使われる言葉は多分に発言者の主観が支配的になっている事が多く、その言葉を受け取る側の理解の仕方、身体感覚や運動能力の性質が発言者とよく似ている場合にはスムーズにいくことでも、受け取る側の性質と発言者の性質にずれがある場合には時としてまったく正反対の結果を招く事があります。
このような混乱を避ける為には、現象の根本を理解した上で、さまざまな個性を持った個人に合った感じ方やイメージでそれを実現するのが順番です。筆者は特に運動能力が低く、心配性で、やり方がよく飲み込めないとぎくしゃくして身体がスムーズに反応してくれない性質です。
運動能力の高い人の「感覚的な言葉」だけを頼りにしているといつまでたっても「迷路」から抜け出す事が出来ずにもがき続けるタイプです。
この論文はまず、出来るだけ現象そのものを解明する事をしながら、それをもとに特に、言われた事をそのままやろうとしても何故か上手く行かない、考えすぎる、心配性の性質の人が少しでも安心して楽しく楽器を吹く為のひとつの手引きになる事を願って執筆しました。
第3号
(2008年)
江田 亮太 「フルート指導の一考察~具体的練習法へのアプローチ~」
現在、数多くのフルート教則本が出版されており、これからフルートを学ぶ人やフルートの指導者は、多様な選択肢の中から好みや指導方針に適した一冊を選ぶことができる。レッスンの課題として教則本を選ぶフルート指導者にとっては、自分の指導方針に即した一冊を選び、レッスンで補足しながら効果的に指導することが可能である。
ところが、フルートを習える先輩がいない吹奏楽部の部員や、近くにフルート教室がなく、独学で学ばざるを得ない人の立場に立って考えたとき、些か情報が少ないのではないかと思っている。その不足している内容は何かと吟味すると、具体的な練習法へのアプローチなのではないか。
つまり、多くの教則本は「この課題に取り組めば」→「上達していく」もしくは「上達している」ということが前提で書き進められており、課題を「どのように練習すればよいか」という教則本に必要な具体的な練習方法の記述が少ないのである。私が日々取り組んでいるフルート教室や吹奏楽部での実際の指導現場では、生徒が疑問に感じていることや、身につけてしまった残念な癖の内容はかなり似通っている。そこで、こうした指導現場で直面してきた問題を整理し、一冊にまとめた。
初めてフルートに触れる生徒が、スムーズに音が出せるようになるまでの、具体的な練習法へのアプローチについて述べている。また、多くの生徒や吹奏楽部の指導者から質問を受けるフルート購入に関する知識や、現場での様々な検討すべき課題についても触れ、教則本の補助教材としての役割を果たせることを目指している。
第4号
(2009年)
塚田 靖 「現在日本のマレット事情」
マリンバワン、アダムス、ムッサー、ヤマハ、コオロギ、サイトウなどレベルの高い楽器が製作されています。音域・倍音・音色などに渡り表現の多様化の時代を迎えています。
海鋒 正毅 「Poko, Listen Very Carefully」
元フィラデルフィア オーケストラ首席 クラリネット奏者<Anthony. Gigliotti 先生と私>華麗なるフィラデルフィアサウンドはレオポルド ストコフスキーからユージンオーマンディに引き継がれ、世界に誇るなかでの、留学の体験です。
神代 修 「大澤寿人という作曲家について」
100年前にジャズ風であり、伴奏のオーケストラ編成も弦楽器+ビックバンドの<トランペット協奏曲>を作曲し、ドラマチックな」人生を送っている。
第5号
(2009年)
五十嵐 清 「実践・「部活動」としての吹奏楽指導法
                   ~現場からのQ&Aも交えて~」

吹奏楽指導者の悩みは尽きることはない。特に学校部活動での吹奏楽指導者は、一つの楽団を管理運営し、音楽指導していくため、一人で全てをこなさなければならない。
これまでの「部活動」として30年間実践してきた、吹奏楽指導のノウハウを一つの通過点としてまとまたもの。
「部活動の基本的考え方」、「吹奏楽部の活動方針」、「活動ルールの確立」、「生徒リーダーの育成」、「楽器の基本奏法の指導法」、「合奏指導法」、「具体的な練習メニュー」、「部員のメンタル面でのサポート」、「学校、地域、保護者との連携」、「ホールでの響きを求めて 音響的アプローチ」などを、これまで実際に奏者や指導者からあった質問を、回答していく形の「Q&A」方式の項目ページも盛り込みながらまとめてある。
第6号
(2009年)
佐野 和彰 「日本の学校吹奏楽に関する歴史的研究
           ~昭和初期の吹奏楽の教育観、教材観と指導法~」

和初期の管・打楽器教育観、教材観を中心に、研究の主題と方法、及び先行研究の検討、学校吹奏楽萌芽期、昭和初期の管打楽器教育観、学校吹奏楽萌芽期の吹奏楽教材観。
吹奏楽教材とは・・・教材選択の基準、学校吹奏楽の軍国主義化の時期、吹奏楽教育観の変容、吹奏楽教材の多様化、吹奏楽教材観の変容。
皇国民錬成のための学校吹奏楽、国民学校令・中学校令下の吹奏楽教育観、軍需品としての学校吹奏楽、音感教育と学校吹奏楽、第二次大戦中の吹奏楽教材観。
第7号
(2014年)
松浦 光男 「ホルン教育における谷中甚作の功績とその指導原理」
本研究で取り上げる谷中甚作(1901~1989)は、東京藝術大学においてホルンの初代教授であり、戦後日本のホルン専門教育の礎を担った人物である。谷中の学習歴、演奏歴及び教育歴を概観し、谷中が日本のホルン専門教育にどのような教育方針を示したのかを明らかにする。
第8号
(2019年)
都賀 城太郎 「日本の学校文化とスクールバンド 黎明期~戦前」
日本におけるスクールバンドの発祥について、かつては1911(明治44)年京都府立京都第二中学校楽隊部であるというのが定説であったが、近年の調査によってそれ以前にも多くのバンドが消長を繰り返していたことがわかり、拙稿「日本のスクールバンドの源流〜明治期の学校吹奏楽」及び、「スクールバンドと吹奏楽の普及」の中で明らかにしてきた。本稿ではそうしたことを踏まえながら、大正・昭和期の正課としての音楽教育と吹奏楽の関係、そしてそれが学校文化の中で明治期以降、どのように変化していったのかについて明らかにしたいと考える。

アコール附属研究論文

アコール
第27号
(2005年)
吹奏楽作品に見られる民族性をめぐって
                ~日本的素材による作品を中心として~(有道 惇)
トランペット社会学考~クラリーノ奏法に焦点をあてた
             バロック期のトランペット用例~(小沢 千尋、蜂谷 昌子)
クラリネットの新展開 第1報 ~管体について~(長松 正明)
アコール第28号
(2005年)
楽曲分析と演奏解~特に留意したいポイント~(川勝 和哉)
学校吹奏楽における外部指導者システムの確立をめざした考察~自治体による試行事例と
 諸外国とのコミュニティ支援システムの比較を参考にして~(新山王 政和、矢崎 佑)
Charles de Beriot 作曲 1er Air Varie の演奏に関する一考察(塚田 靖)
アコール第32号
(2007年)
ミュージシャンシップの向上と立体的な演奏のために
     ~ダルクローズリトミック(ユーリズミックス)から考察~(杉山 智恵子)
アレクサンドル・ゲディケ作曲「トランペット協奏曲」について(アレクセイ トカレフ)
歴史にみるサクソフォン~誕生から現代まで~(松沢 増保)

一般社団法人日本管打・吹奏楽学会

〒113-0033
東京都文京区本郷4-15-9

TEL 03-3814-3161
FAX 03-3814-3302